登録理美容師

美容師・美容福祉師は人生100年時代の担い手

山野正義・NPO全国理美容福祉協会理事長あいさつ
山野正義・NPO全国理美容福祉協会理事長

第1回登録理美容師のつどいから参加されているみなさんはじめ、数回または初めて参加されたみなさん、ようこそ。
山野学苑が美容福祉を提唱してからすでに20年近くなります。その理論のもとで実践してきた高齢社会の福祉向上を目指す「美容福祉技術講習」を受講された方は、全国各地から約2000人にものぼっています。その受講の成果を生かして、全国で訪問理美容を実践されているみなさまの日々のご努力を心から讃えるとともに、感謝申し上げたいと思います。
 私はBS朝日の各界のリーダーインタビュー番組「トップビジョン」(6月30日放映)に出演して、美容こそ人間が人間らしく生きていくために必要なことであることを強調しました。
 また9月1日にBS日テレで「老いて輝く!」と題して、ジャーナリスト・田原総一朗さんとの対談が放映されます。私は田原さんに次のように言いました。「第一は、人生100年の時代ですが、60歳頃に定年退職すると残りは40年もある。その期間、どのような立ち位置で生きていくべきか。第二は40年間働き続けた経験をいかに青年たちに教え伝えるのか。第三に人は結果としてお金持ちとそうでない人となる以上、若いうちから将来のことを考える人生設計を教えることだ」。この発言のすべてが放映されるかは分かりませんが、私の人生への思いです。
 私が20年前に提唱した「美容福祉」は、今や美容界だけでなく、社会的に定着してきています。その担い手である美容師が果たすべき役割について再度、考えてみましょう。
社会にとって医師は不可欠です。大切な仕事です。医師の努力と科学の進歩によって、今の日本は男女とも世界で最高水準の寿命を実現しています。しかし医師は、病気を治すことはできても、楽しく美しく生きるためのアドバイスは本来の仕事ではありません。
また、これまでの美容師は個々のお客様に満足していただくヘアスタイルを創造することが主でした。その美容技術は、美容機器の進歩などによって、一定期間研修すれば、誰でも到達できます。
一方、これから生まれる子どもたちは100年生きるのです。そうした子どもたちが、働き続けて60歳で定年退職後、100歳まで元気で生きるために、どのように日々を過ごすのかについて、誰がアドバイスしサポートするのでしょうか。芸術家や小説家などもその一端を担っているでしょう。しかし人々の日々の生活に密着してそれができるのは美容師・美容福祉師なのです。
私がアメリカで20数年間携わったビジネスの一つが保険セールスでした。そこで行ったことは、保険を買ってくれた顧客に対する徹底したアフターケアでした。その結果、全米でトップクラスになりました。この経験からも、これからの美容師・美容福祉師は、技術に加えて、「知の再武装」をして、人々の100歳人生をサポートし、アフターケアができるようになることだと考えています。
そうした美容師・美容福祉師に求められる「知の再武装」として、山野学苑は「美齢学―生きるほどに美しく」を提起しています。最近、それを裏付けるというか予見する画期的な提案がなされています。
みなさんもご存知だと思いますが、一般財団法人日本総合研究所会長で多摩大学学長の寺島実郎先生が「ジェロントロジー宣言―『知の再武装』で100歳人生を生き抜く」と題した著書で「ジェロントロジーへの新たな視覚として、美容界に足跡を残した山野愛子氏の長男で山野学苑を率いる山野正義氏が『美齢学』(美しく歳をとる)という主張を掲げていることに注目したい」と書いています。
みなさん。人生100年時代に生きる人々が、真に美しく生きがいを持てる生涯を送ることができるように、今日のつどいで積極的に学び、交流していただくことをお願いし、それを生かしてご活躍されることを期待しています。

理美容福祉の必需品
  • すいコ〜ム
  • ハッピーシャンプー