編集にあたって… 山下秀治、西尾栄次、佐野恵美子さんの事例報告の録音を全部聞き直してみました。報告されている一つひとつの活動の背景には試行錯誤や新しい挑戦などで大変な御苦労があったのではないかとの思いを巡らすとともに、お客様の感謝の笑顔に感動されている様子が浮かんできました。
そして登録理美容師のみなさんが全国各地で同じような活動をしているのだと想像すると、理美容師は本当にすごいことをしているんだという思いがますます強くなり頭が下がります。
◆ 高齢や障がいで身体が思うように動かない方々、病気で入院・治療されている方々にとっては、健康な時のように人間らしく心身を整えて日々を過ごしたいという思いは人一倍強いと思います。そうした方々に寄り添って、人生の喜びを取り戻すお手伝いをしている訪問理美容に携わるみなさんは、「理美容伝道師」と言ってもいいのではないでしょうか。
◆ 高齢化が日々進行する社会にあっては、訪問理美容に携わるみなさんの役割はもっともっと高く評価されるべきだと思います。ボランティア精神は大切にしなければなりませんが、訪問理美容を高齢社会にとって不可欠な福祉政策として明確に位置づけ、必要な法整備とシステムを整え、ビジネスとして成立させるようにすることは急務だと思います。
◆ 山野正義理事長がかねてから主張していることですが、例えば、健康保険または介護保険制度を改正して、施設には理美容室設置を義務付け、在宅者への訪問理美容を保険給付の対象とするのです。
これは決して不可能な政策ではありません。登録理美容師のみなさんが取り組む訪問理美容活動が、高齢者や障がいを持っている方々のために不可欠な福祉政策となることを期待したいと思います。 (福島 清)