登録理美容師

福祉車両で送迎サービス

小樽市は人口14万人です。
私が訪問理美容に本格的に取り組んだきっかけは、担当したおじいさんの「こんな天気の良い日は社長のサロンに行って頭をきれいにして欲しいな」の一言でした。そこでそういうお客様を連れてきてくれる会社に頼もうかと思ったのですが、それでは絶対に気持ちが伝わらないと思ったのです。 そこで長崎市と同じように山坂のある小樽市では普通の乗用車ではダメなので、ダイハツの４輪駆動・４人乗りの軽自動車を入手しました。その自動車に乗って理美容室にきた先のおじいさんは、えらく感動してくれました。経費は自動車代250万円、サロン内のトイレ改装などで、500～600万円はかかりました。こうして天気の良い日にサロンに来ていただく態勢ができ、現在は2台がフル回転しています。いつでも訪問できる理美容師は毎日2人確保しています。
それ以上の要請があるときは営業前、営業後、休日を使っています。

訪問しない時も、大きな看板をつけたその軽自動車で市内を回っています。また私が受講した美容福祉技術講習を社員やＯＢ達に教え、訪問理美容を本格的に開始したところ、訪問以外のイベント活動と合わせて、北海道新聞、読売新聞、朝日新聞、テレビ、ラジオなどが紹介してくれたため、小樽市内のほとんどの市民が知っていると思います。

訪問理美容の組織化

経営的に振り返ると、数年前、毎月売上げが落ちてきました。何とかしなければと考えた時、訪問理美容の組織化に出会い、息を吹き返しました。私の夢は理美容師の年収を500万円以上にすることですが、もうちょっとのところまで来ています。私の経営姿勢は、考えるのではなくまず行動が先です。「出入口」というように、まずお金を出すことです。そうすれば入ってきます。

小樽市内は細長い市ですので、端から端までは25・もありますが、送迎料を取ると自動車の運転手は２種免許が必要など厳しくなりますので無料です。訪問理美容の料金はサロンと同じ4,000円ですが、高齢者は気に入ってくれれば必ず送迎料に見合うプラスαを出してくれます。 訪問理美容に伺う軽自動車には、下に敷くブルーシートをはじめちょっと大きめのカットクロスなど必要な資材は全て準備していきます。訪問先で提供いただくのは場所とお湯だけです。社員には、使わせていただいた流しなどは終了後、必ず綺麗に拭いて帰ることを徹底しています。これはビジネスとして行う訪問理美容として当然のことだからです。 訪問理美容での本当のサービスとは何かということを考えますと「スピードと元気」です。私は今、スタッフには「１回目は問診などがありますので例外だが、２回目からは訪問してから出るまで20分～30分で終え、元気を置いてくること」を要求しています。通常サロンでは50分で4,000円ですかから送迎含めて50分で同じになります。ガソリン代はプラスαのサービスで頂くことです。プラスαをいただけないようでは、本気でお客様に対応していないということです。

訪問理美容は絶対にビジネスになります。私のサロンだけでなく、北海道中に広めようと考えて、昨年、小樽市で奥山一成・理事を招いて2日間の美容福祉技術講習を開催しました。釧路、稚内からも来てくれました。講習が終わってしばらくしてから情報交換しようと集まりました。旭川のある理容師に、私は「断られても大きな病院や老人福祉施設、ケアマネージャーに営業にいきなさい」そして「絶対にダンピングはするな」と指導しました。２週間後、「旭川で一番大きな病院と契約できました」と電話がありました。

私の理美容室では訪問理美容の際は、必ず次回の予約を決めることにしています。お客様の要望は３週間に1回、1ヵ月の1回などバラバラですが、予約を取らないとスタッフの配置などができないからです。毎週月曜日と、第１、第３火曜日が定休日です。この日は、グループホームと病院を1日５ヵ所くらい訪問しますが、それは社員のアルバイトとしています。 最後に私の夢は、何時か山野さんと提携して北海道でこの教室を作ることです。 ありがとうございました。