第10回 登録理美容師の集い

理事長 山野 正義
米国出張のため、お会いできないこと誠に残念です。ひとことメッセージをお贈り致します。
山野学苑は、「美容福祉」を提唱し、教育・研究・実践を積み重ねてきました。その実践面では、訪問理美容のために不可欠な4日間・28時間のカリキュラムからなる「美容福祉技術講習」制度を確立しました。
2005年以降、この講習を受講した理美容師のみなさんは1,949人にのぼり、登録理美容師のみなさんは、1,209人にもなっています。
この訪問理美容について、経験を交流してさらにレベルアップするために、毎年開催している登録理美容師の集いにご参加されているみなさまのご努力に心から敬意を表します。
さて、日本の高齢化は年々「待ったなし」の状況になってきています。厚労省のデータなどを調べてみますと、100歳以上の高齢者は、54年前の1963年にはわずか153人でしたが、昨年の敬老の日には、65,692人になっているのです。かつて「人生50年」と言われていました。それが2倍となる長寿を実現できたということは、医学と社会環境が向上してきた結果であり、人類にとって素晴らしいことです。
その一方、長寿高齢社会を維持発展させるためには、たくさんの課題があります。その一つが人口減少です。6月に昨年の出生数が発表になりましたが100万人を下回ったのです。1949年の出生数は、269万人でしたから、何と3分の1近くにまで落ちこんでいるのです。
また少子高齢化に加えて国家予算の3分の1をしめる厚生労働関係予算のうちの社会保障関係が圧縮される傾向にあることも事実です。
こうした社会環境の中で、すべての人々、とりわけ増える一方の高齢者のみなさんが、QOLを向上させて、生き生きとした人生を創造できるようにするためには、美容福祉の視点がますます重要になってきています。
今日お集まりのみなさんは、美容の魅力を熟知され、美容福祉の意義を実感されています。それをさらに高め、訪問理美容の経験を交流して、高齢社会の福祉向上のために、さらに大きな力を発揮していただきたいと思います。