書籍「美しく生きるための美容福祉~ジェロントロジー・美齢学~」が出版されました
(「はじめに」より抜粋)
山野学苑の創始者である山野愛子(1909-1995年)は、戦後日本の美容業の社会的地位確立のため、美容教育に大きく貢献した美容家でもあります。その山野愛子は、関東大震災や第二次世界大戦という激動の時代に美容の意義を唱え、山野学苑の建学の精神でもある美道五大原則「髪・顔・装い・精神美・健康美」を提唱しました。
美道五大原則は、「美しくあろうとする思いが、生きる喜びを生み出すもの」として、外見に関わる「髪・顔・装い」だけでなく、「精神」や「健康」という生きることそのもののあり方にまで言及しているところが重要だと私は思っております。
人と人のつながりを大切にすることで社会を築いた私たち人間にとって、「美しく生きたい」と願うことは、大きな意味があることなのかもしれません。長寿社会になり得た背景には、医療や福祉が大きく関わっており、その発展が、人の健康や精神の豊かさに大きく寄与してきたことは明らかです。一方で、いつの世も人とのつながりに貢献してきたのが「美容」です。
人は年を重ねるごとにがんや認知症といった病気や障がいなど、さまざまな生き方に関わる問題に直面します。そんなとき、医療や福祉に頼ることは大切ですが、生きる意欲に関わるのは、大切な人とのつながりです。美容は、その大切な人とのつながりをつくり、やがて大切なものに気づかせてくれる手段となります。山野学苑は20年以上、医療や福祉にケアとしての美容を取り入れることを勧めてきました。それが「美容福祉」「美齢学」です。
今、その対象となる人たちは多様であり、ケアとしての美容に携わる美容家と同じ目的を持つ、医療や福祉といった分野の他職種とのコンセンサスを得る必要性を感じ、本書を作成しました。そこで、本書には山野学苑だけでなく、青山学院大学ジェロントロジー研究所の平田普三先生をはじめとする多彩な研究者や、アピアランスケアの第一人者である野澤桂子先生など、学際性豊かな方々にご協力いただいております。
本書を通して、ケアとしての美容をご理解いただくとともに、一人ひとりが、さまざまな場面で人とのつながりと生きる意味を感じられ、「美しく生きる」ことを大切にできる社会となることを望みたいと思います。
学校法人山野学苑 理事長・学苑長
山野愛子ジェーン
大切な人だから、
いつもきれいでいてほしい
山野学苑は2002年7月、社会福祉施設や在宅の高齢者や障がいを持つ方々に訪問理美容サービスを提供することを主な目的にした、NPO「ビューティライフ」(全国介護理美容福祉協会)を設立しました。
理美容師の方々に、訪問理美容に必要な知識と、ビューティライフが開発した訪問理美容のための器具「すいコ〜ム・ハッピーシャンプー」の講習会を開催し、理美容福祉の資格を認定するとともに、訪問理美容の組織化を目指しています。
学校法人山野学苑公開講座「美容福祉」技術講習教室
本講座は、高齢の方、身体に障がいをお持ちの方や車椅子で理美容室へご来店するお客様に適切なサポートができ、理美容室以外(福祉施設、病院、寝たきり老人宅等)で理美容施術を望むお客様に対して安全で安心して訪問理美容を行うことができるための知識・技能を習得することができます。
疾病その他の理由により、理・美容所に来ることが出来ないお客様に対して、NPO全国介護理美容福祉協会の「登録理・美容師」が理美容室以外(福祉施設、病院、ご自宅等)に訪問して理・美容施術を行います。
料金、訪問日時、施術内容等につきましては、直接、訪問する「登録理・美容師」と事前に打ち合わせをお願い致します。
各方面からのアクセス方法
JR 総武線「代々木駅」北口より徒歩1分、JR 山手線「代々木駅」北口より徒歩1分
都営大江戸線「代々木駅」北口A3 出口より徒歩1分
JR 埼京線、JR 中央本線、JR 山手線、京王線、東京メトロ丸の内線「新宿駅」南口・新南口よりそれぞれ徒歩5分、小田急線「南新宿駅」隣接
学校法人 山野学苑内 全国介護理美容福祉協会
〒151-8539 東京都渋谷区代々木1-53-1
TEL:03-3379-0153 FAX:03-3370-0008